2016年08月11日 窓を開けると 大きな捕虫網で いっぴきの夏を追いかけた 少年の夢はなかなか覚めない 布きれで細長い袋をつくり 針金の輪をとおして 長い竹竿の先に括りつけていく 父の作業を見ていた それでセミをとるのだと言う 父について林に入る アブラゼミ クマゼミ ミンミンゼミ ヒグラシ まさにセミだらけの夏を 一網打尽にした 父とセミとりをしたのは それいちどだけ あれからあのいっぱいの夏を どこへどうしたのだったか いっせいにセミの襲来 あの捕虫網はどこへやったか 青い風 白い雲 ドキドキしながら手をのばす その先にセミの 透明な翅 コメント(0) Tweet